KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
「カーボン・ファーミング」は気候変動対策になるか?
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Carbon farming is the hot (and overhyped) tool to fight climate change

「カーボン・ファーミング」は気候変動対策になるか?

地球温暖化対策として、より多くの二酸化炭素を農地の土壌に捕捉し、貯留する農法である「カーボン・ファーミング」が注目されている。だが、地球温暖化の対策としてどの程度効果があるのかは、科学的には明確になっていない。 by James Temple2019.06.27

気候変動に対処する方法として、より多くの二酸化炭素を土中に捕捉して貯留する可能性を探求する農業従事者が増えている。

土壌は元々、いくらかの炭素を蓄えており、その大部分は腐食した植物や動物性物質に由来する。米国科学アカデミーが昨年の研究で推定したところによると、もし農家が有機質肥料、あるいは堆肥などの有機物質を土壌に加えたり、より多くの炭素を土に与える作物の耕作に転換したり、オフシーズンに後で朽ちて分解する間作物を植えたりするなど、多くの改善策を採用すれば、世界の農業用地は二酸化炭素を30億トンも余分に捕捉して貯留できるという(「人類を救う『炭素回収』技術、挑み続けた開拓者の20年」を参照)。

カリフォルニア州は、炭素をより多く貯留することが期待される手法を用いる農家に、州の炭素排出量取引基金(キャップ・アンド・トレード・ファンド)から少額の補助金を提供し始めた。一方、ボストンのスタートアップ企業であるインディゴAG(Indigo AG)は、同様の手法を追求する農家にお金を支払い、気候変動への影響を相殺する方法を求めている会社や個人に炭素クレジットを販売する計画を最近発表した。

しかし、これらの活動がどれだけの恩恵を気候変動にもたらすか、様々な土壌や気候の条件下でどのやり方が最も効果的か、農業の温室効果ガス排出を相殺するもっと頼りになる方法はあるのかなどについては、今なお定かではない。こう述べたのは、6月20日にカリフォルニア州サウサリートで開かれたブレイクスルー研究所(Breakthrough Institute)の年次会議「カーボン・ファーミング」のパネルディスカッションの討論者たちだ。

炭素の除去と再循環を推進するNG …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る