気候変動に対処する方法として、より多くの二酸化炭素を土中に捕捉して貯留する可能性を探求する農業従事者が増えている。
土壌は元々、いくらかの炭素を蓄えており、その大部分は腐食した植物や動物性物質に由来する。米国科学アカデミーが昨年の研究で推定したところによると、もし農家が有機質肥料、あるいは堆肥などの有機物質を土壌に加えたり、より多くの炭素を土に与える作物の耕作に転換したり、オフシーズンに後で朽ちて分解する間作物を植えたりするなど、多くの改善策を採用すれば、世界の農業用地は二酸化炭素を30億トンも余分に捕捉して貯留できるという(「人類を救う『炭素回収』技術、挑み続けた開拓者の20年」を参照)。
カリフォルニア州は、炭素をより多く貯留することが期待される手法を用いる農家に、州の炭素排出量取引基金(キャップ・アンド・トレード・ファンド)から少額の補助金を提供し始めた。一方、ボストンのスタートアップ企業であるインディゴAG(Indigo AG)は、同様の手法を追求する農家にお金を支払い、気候変動への影響を相殺する方法を求めている会社や個人に炭素クレジットを販売する計画を最近発表した。
しかし、これらの活動がどれだけの恩恵を気候変動にもたらすか、様々な土壌や気候の条件下でどのやり方が最も効果的か、農業の温室効果ガス排出を相殺するもっと頼りになる方法はあるのかなどについては、今なお定かではない。こう述べたのは、6月20日にカリフォルニア州サウサリートで開かれたブレイクスルー研究所(Breakthrough Institute)の年次会議「カーボン・ファーミング」のパネルディスカッションの討論者たちだ。
炭素の除去と再循環を推進するNG …