アマゾン、アップル、グーグル、そしてフェイスブックの巨大テック企業4社が突如、米国政府による新たな大規模調査の対象となった。米国連邦取引委員会(FTC)、司法省(DOJ)、連邦議会が揃って、巨大テック企業の支配力が大きくなり過ぎていないか調査し始めたのだ。
解体は実現が難しいだろう。長期プロセスになりそうなうえに、結果はまったく不透明だ。
なぜフェイスブック、アマゾン、アップル、グーグルが独占企業だと非難されているのか?
独立研究機関であるオープン・マーケット・インスティテュート(OMI)のサリー・ハバード戦略執行部長によると、こうした問題はすべて利益相反を招いている。グーグルは検索結果で自社製品を宣伝できるし、アマゾンはアマゾンマーケットプレイスで自社が販売する商品を宣伝できる。アップルはアプリ開発者から30%の手数料を徴収したうえ、アップストア(App Store)以外でのアプリ販売を阻止できる。
弁護士や活動家は長年にわたり、テック企業の支配力が強すぎると訴えてきた。現在、民主党の大統領候補であるエリザベス・ウォーレン上院議員や共和党のジョシュ・ホーリー上院議員などの政治家たちが、改善を求める先鞭を切っている。この新たな関心の高まりは、規制当局に精査を促すだろう。
大手テック企業はどのようにしてこれほど大きな支配力を持つようになったのか?
グーグルやアマゾンのような企業は大量のデータを収集し、そのデータをサービス内で利用することでツールを改良して成長を続け、競合他社を打ち負かしている。これにはネットワーク効果も役立っている。他の人が皆すでにフェイスブックを使用している状況では、別の新しいネットワークに参加することは無意味に思える。
こうした企業が収集したデータの多くは、小規模企業を買収して獲得したものだ。多くの専門家はこれを可能にしている消費者厚生基準を非難する。反トラスト法の基本原則である消費者厚生の最大の関心事は、価格を上昇させないことだ。大手テック企業は多くのサービスを無料で提供しているため、消費者厚生基準の下では企業は拡大し続けても構わないことになる。
この視点では、グーグルは検索エンジンであり、ユーチューブは映像プラットフォームだ。両社が直接競合することはないので、買収は問題にならないはずだ。米テネシー大学ノックスビル校の独占禁止法専門家で、 『Big Data and Competition Policy』(ビッグデータと競争政策)の共著者であるモーリス・スタック教授は、「反トラスト法では、データ駆動型ビジネスの合併を推進しているものが考慮していません」と言う。「データの利用と、そのデータが企業の優位性を獲得または維持するのにどのように役立っているかが考慮されていないのです」。
しかし、状況は変わりつつある。現在、一部の学者はプ …