中国と米国は合意したのだろうか?
先週、中国の科学者やエンジニアは、人工知能(AI)に関する倫理規定を発表した。これは中国政府がAIテクノロジーの使い方を再検討する兆候なのかもしれない。
中国政府は市民を監視する手段としてAIを使用していると広く非難されている。だが、新たに発表されたガイドラインは、西側の企業や政府が展開している倫理的枠組みに著しく似ているようだ。
中国科学技術部と北京市政府が支援する「北京智源人工智能研究院(BAAI:Beijing Academy of Artificial Intelligence)」は5月25日、「北京AI原則(Beijing AI Principles)」を発表した。「人間のプライバシー、尊厳、自由、自律性、権利が十分に尊重されるべきです」など、AI研究や開発に関する指針原則を明確に説明している。
プライバシーや個人の自由の話などを嫌悪して一蹴するのは簡単だが、意外にも中国政界でそうした問題についても議論する意欲が示されている。
中国のビジネスと政策に詳しいマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院のヤーシャン・ホアン教授は、「私はなかなか良い展開だと思います」と話す。「人権のようなテーマについて、中国政府が米国に会話の機会を提供するのは好ましいことです」。
この規定は、中国でAIに取り組む著名で重要な技術機関とテック企業との協力で考え出された。北京大学、清華大学、中国科学院傘下の自 …