広大な宇宙空間でも、些細なことが大きな差を生むことがある。マサチューセッツ工科大学(MIT)が間もなく打ち上げ予定の形状可変鏡(DeMi:Deformable Mirror)デモンストレーション・ミッション・キューブサット(日本版注:キューブサットは数キログラム程度の小型人工衛星)は、年内に新たな望遠鏡のテストを実施する予定だ。この人工衛星が搭載する「形状可変鏡」と呼ばれる特殊な鏡は、生命がいる確率の高そうな太陽系外惑星を見つけるためのツールとして、人工衛星に将来搭載されるかもしれない。
形状可変鏡のどこが特別なのかは、近くに寄って見れば分かる。反射鏡の裏側に140個の小型アクチュエーターが設置されており、鏡面を曲げることで、太陽系外の星の光をよりシャープに捉えられるようになっているのだ。
このような形状可変機構が必要となるのは、軌道上では人工衛星が過酷な状況に置かれる可能性があるからだ。衛星の片側が太陽光で焼けるような高温になっている一方で、別の側が凍えるような低温に晒されていることもある。温度が変化 …