フェイスブックが独自のインターネット通貨を発行するという計画に関する情報が、また外部に流出している。
5月24日にBBCが伝えたところによると、フェイスブックは、「グローバルコイン(GlobalCoin)」という名称(内部名称と思われる)のデジタル通貨を、2020年第1四半期中に「約12カ国」で発行する計画の最終段階にあるという。
BBCによると、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は4月に、イングランド銀行のマーク・カーニー総裁と会談し、「暗号通貨の発行に伴うチャンスとリスクについて話し合った」という。
フェイスブックが米財務省の役員と面会したことや、ウェスタン・ユニオン(Western Union)などの送金サービス会社などと「交渉中」であることも明らかになっている。 フィナンシャル・タイムズ紙は5月23日に、フェイスブックが米国の大手暗号通貨取引所であるコインベース(Coinbase)やジェミニ(Gemini)とも交渉していると報じた。
フェイスブックが秘密裏に構築している、おそらくブロックチェーンを基盤としているであろう決済ネットワークについてはこれまでも何度か耳にしてきた。しかし、「グローバルコイン」という内部名称が明らかになったのは、これが初めてだ。
ブルームバーグは12月に、フェイスブックがいわゆるステーブルコイン、つまりその価値を米ドルなどの法定通貨に固定させたデジタル通貨を開発中であると報じた。5月2日にはウォール・ストリート・ジャーナルが、数十社におよぶ金融会社やインターネットショッピング業者に対し、同紙がコードネーム「プロジェクト・リブラ(Project Libra=天秤座計画)」と呼ぶプロジェクトへの参加をフェイスブックが呼びかけていると報道している。ロイターは5月18日、フェイスブックがリブラ・ネットワークと呼ばれる新しいフィンテック企業をスイスで創業したと伝えた。
フェイスブックの新しいデジタル通貨が、暗号技術や何らかの形でブロックチェーンを利用しているとしても、多くの暗号通貨支持者たちは、マーケティング戦略としての「暗号通貨」という言葉と、このプロジェクトとの関連をすぐさま否定している。
結局のところ、多くの暗号通貨の支持者たちは、ブロックチェーンを使って大手テック企業の邪魔をしたいのであって、その逆ではないのだ。フェイスブックがネットワーク上でどれだけ主導権を握れるのか、どのようにしてこのプロジェクトから利益を得るつもりなのか、という点に関しては大きな疑問が残ったままだ。 今後の動向に注目だ。