ロボットさん、ようこそ、「力こぶショー」へ!
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは、人間が周囲の物を持ち上げたり動かしたりする際の上腕二頭筋の活動を綿密にモニターするロボットを開発した。しかし、このロボットは人間の上腕二頭筋を単に賞賛しているわけではない。人間と効率よく協働できるシステムを開発するという目論見があるのだ。
「ロボレイズ(RoboRaise)」と名付けられたロボットは、上腕二頭筋に取り付けた筋電計センサーを用いて、その活動をモニターする。機械学習が、それらのセンサーが拾った信号を、人が実際にしている腕の動きと照合する。するとロボットは、筋電計センサーのデータから、腕の動きがわかるようになる。
仕事場のロボットのほとんどは、あまりに鈍く危険なため、人間から隔離して作業をする。しかし最近、ロボットを人間と協働させることへの関心が高まっている。センサーやコンピューター・アルゴリズムの進歩を利用して、ロボットをより安全で賢くしようというのだ。
今回の取り組みは、非常に魅力的なアプローチだ。理論的には、ロボットが人の振る舞いについて、はるかに微細な合図を察知できるようになる可能性を示している。また、人間の行動や意図に、より適合した機械の開発につながるかもしれない。