KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
MIT
This robot watches you flex to learn to be a better teammate

腕の動きを観察して力を加減、人と一緒に働くMITの新しいロボット

マサチューセッツ工科大学(MIT)は、人間の上腕二頭筋に取り付けた筋電計センサーの信号から、その腕の動きを察知するロボットを開発した。ロボットを安全に効率よく人間と協働させるのに有効なアプローチとなる可能性がある。 by Will Knight2019.05.24

ロボットさん、ようこそ、「力こぶショー」へ!

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは、人間が周囲の物を持ち上げたり動かしたりする際の上腕二頭筋の活動を綿密にモニターするロボットを開発した。しかし、このロボットは人間の上腕二頭筋を単に賞賛しているわけではない。人間と効率よく協働できるシステムを開発するという目論見があるのだ。

「ロボレイズ(RoboRaise)」と名付けられたロボットは、上腕二頭筋に取り付けた筋電計センサーを用いて、その活動をモニターする。機械学習が、それらのセンサーが拾った信号を、人が実際にしている腕の動きと照合する。するとロボットは、筋電計センサーのデータから、腕の動きがわかるようになる。

仕事場のロボットのほとんどは、あまりに鈍く危険なため、人間から隔離して作業をする。しかし最近、ロボットを人間と協働させることへの関心が高まっている。センサーやコンピューター・アルゴリズムの進歩を利用して、ロボットをより安全で賢くしようというのだ。

今回の取り組みは、非常に魅力的なアプローチだ。理論的には、ロボットが人の振る舞いについて、はるかに微細な合図を察知できるようになる可能性を示している。また、人間の行動や意図に、より適合した機械の開発につながるかもしれない。

人気の記事ランキング
  1. Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 無料イベント「U35イノベーターと考える研究者のキャリア戦略」のご案内
  2. Trajectory of U35 Innovators: Masaki Nakada 仲田真輝:人工生命起業家が「魚の養殖」にピボットした理由
  3. IU35 Japan Summit 2024: Hiroshi Ito 「深層予測学習でロボットとAIのギャップを埋める」伊藤 洋
ウィル ナイト [Will Knight]米国版 AI担当上級編集者
MITテクノロジーレビューのAI担当上級編集者です。知性を宿す機械やロボット、自動化について扱うことが多いですが、コンピューティングのほぼすべての側面に関心があります。南ロンドン育ちで、当時最強のシンクレアZX Spectrumで初めてのプログラムコード(無限ループにハマった)を書きました。MITテクノロジーレビュー以前は、ニューサイエンティスト誌のオンライン版編集者でした。もし質問などがあれば、メールを送ってください。
▼Promotion 冬割 年間購読料20%off
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る