4月30日と5月1日の2日間、アラブ首長国連邦(UAE)は、人工知能(AI)応用分野における世界最大規模の会議となる「AIエブリシング(Ai Everything)」を初開催した。いかに幅広い業界で機械学習が利用されているかを示したという点で、とても印象的な会議だった。だが同時に、ビジネス界がいかに、AIテクノロジーの能力を曖昧にし、誇大な売り込みをかけているかという重要な警告が改めて浮き彫りになった。
この機会に、企業のテクノロジーの品質と妥当性を評価するために私が通常使っている5つの質問を簡単に紹介しよう。
1. その企業は、何を解決しようとしているか?
最初に見るのは問題の記述だ。その企業は、何をしようとしているか。そして、その問題の解決に機械学習を使う価値があるかどうかだ。たとえば、人々の感情を正確に追跡する感情認識テクノロジーを開発しているスタートアップ企業、アフェクティバ( Affectiva)について見てみよう。同社が取り組んでいるのは、概念的にはパターン認識の問題なので、機械学習による取り組みが可能だ(「いまさら聞けない『機械学習』とは何か?フロー図を描いてみた」を参照)。感情認識は、一連のルールに落とし込んでプログラム化するには難しすぎる問題なので、機械学習以外の方法で実現するのは非常に難しいだろう。
2. その企業は、問題に対し、どのように機械学習を適用しようとしているか?
問題を概念的に理解できたら、その企業がどのようにその問題に取り組んでいるかを知ることが必要だ。 感情認識に取り組む会社が製品を開発する際には多くの選択 …