KADOKAWA Technology Review
×
実は活発だった「月」の地殻活動、地震計データを再分析
Watters et al.
宇宙 無料会員限定
The moon is a lot more seismically active than we thought

実は活発だった「月」の地殻活動、地震計データを再分析

人々が夜空に見上げる月は静まり返った世界だと思われがちだが、実際には定期的に地震が起こっている。人間を再び月に送り込む際には、宇宙船の着陸地点や構造物の建築場所を慎重に選ぶ必要があるだろう。 by Charlotte Jee2019.05.15

人々が夜空を見上げたときに想像するであろう穏やかな世界とは程遠く、月は絶えず活動している。ネイチャー・ジオサイエンス誌に掲載された論文によると、月では地殻変動活動による地震が定期的に発生しているという。

アポロ計画の後期に月面に設置された4つの地震計から、月に地震が起こることはわかっている。それらの地震計は、1977年に役目を終えるまでの7年間に、28回の地震が月で起こったことを記録している。それらの地震は、リヒタースケールでおよそマグニチュード1.5から5の範囲に渡り、大きなものは近くに着陸している宇宙船や月面基地に損傷を与え得るほどだという。

月で地震が起こる原因については、隕石の衝突や地球と太陽がもたらす重力など、さまざまな理論が存在している。今回、ある研究チームが、2009年に打ち上げられた月周回無人 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Why the next energy race is for underground hydrogen 水素は「掘る」時代に? 地下水素は地球を救うか
  2. How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
  3. This quantum computer built on server racks paves the way to bigger machines ザナドゥ、12量子ビットのサーバーラック型光量子コンピューター
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る