5月6日の夜、思いもよらないようなイベントに3Dプリントが登場した。それは、「メットガラ(Met Gala)」だ。
メットガラは、ニューヨークのメトロポリタン美術館のための資金集めのイベントだ。参加するセレブたちが着用する印象的で野性的、かつアバンギャルドな衣装で知られている。今年は、デザイナーのザック・ポーゼンが、GEアディティブ(GE Additive)およびプロトラブズ(Protolabs)と共同製作した5点の衣装が、3Dプリントされた仰々しいコンポーネントを誇示しながら会場を闊歩した。モデルのジャーダン・ダンや女優のケイティ・ホルムズらが着用した4点のドレスと1点のヘッドドレスには、パーツの組み立に6カ月を要したものもある。
3Dプリントされた衣装を着用した女性たちは、デザイン用ソフトウェアを使って各自の身体にぴったり合う作品を確実にモデル化できるように、あらかじめ身体をスキャンされた。
作品は、ポーゼンが求める高品質の仕上がりを実現するために、主に光造形法(SLA:stereolithography)を用いて製作された。光造形法は、紫外線レーザーを利用して樹脂プールをゆっくりと硬化させる手法だ。1度に1層ずつ、3Dモデルが読み込まれているコンピューターが指示するパターンに従ってレーザーが樹脂中に照射される。出来上がった硬く滑らかな造形物には、その後塗装または研磨が施される。
英国人モデルのジャーダン・ダンが着用したバラの花びらを型どった、もっとも手の込んだ衣装は、製作に1100時間以上かかった。「これらのパーツを簡単に済ませようと思ったことは一度もありません。限界の壁を越えたかったのです」と、プロトラブズのアプリケーション・エンジニアであるエリック・アトリーはいう。
ポーゼンがメットガラのレッドカーペットに3Dプリントを利用したり、あるいはテクノロジーを取り入れ …