ここ数年、食料品の買い物代行や新しいロゴのデザインなど、個別の作業に人を雇えるアプリやサイトが多く登場している。こうしたサービスは、効率的で公平な労働市場をもたらしそうだが、ノースイースタン大学(ボストン)の最新の研究によると、「ギグ・エコノミー(日雇い経済)」の二大プラットフォームには、人種差別や性差別が横行している。
ノースイースタン大学のクリスト・ウィルソン准教授と博士課程の大学院生アンチャ・ハナクが率いる研究チームが「お遣いプラットフォーム」のタスクラビットと、クリエイティブなサービス市場を提供するファイバー(Fiverr)を調査したところ、どちらのサイトにも人種や性別による偏見がある証拠をつかんだ。
このことは、偏見がオンラインプラットフォームやサービスに紛れ込む一例に過ぎない。問題は、ギグ・エコノミーは、効率的で柔軟な働き方を提供し、しかもアルゴリズムが売り手と買い手を結びつけるので、偏見が少なくなると宣伝していることだ。
研究チームによれば、ファイバーでは、黒人とアジア系の作業者は白人よりも低い評価を受けている。タスクラビットでは、女性が得るレビュー数は男性よりも少なく、黒人の作業者は白人よりも低い評価を受けていた。さらに、最も問題が大きいのは、スクラビットの推薦アルゴリズムに偏見が忍び込んでいる証拠を研究チームが発見したことだ。なお、研究成果は今週ニューヨークの学会で …