中国巨大フィンテック企業がブロックチェーンに注力する理由
中国政府は暗号通貨については否定的な立場をとっているが、ブロックチェーン技術を基盤とするアプリの開発については好意的だ。アリババ傘下のフィンテック企業であるアント・フィナンシャルは、国内産業の振興を支援するため、ブロックチェーンベースのアプリをいくつも開発している。 by Mike Orcutt2019.05.07
中国政府は暗号通貨を支持していない。暗号通貨取引とICO(新規暗号通貨公開)をすでに禁止しており、今後、国内の膨大な規模の暗号通貨マイニング産業を全面禁止する可能性すらある。その一方で、ビットコインのような暗号通貨の基礎となっているブロックチェーン技術を基盤とするアプリケーションの開発には極めて協力的だ。そうした政府の姿勢は、中国においてブロックチェーン関連のプロジェクトが急増したきっかけにもなっている。
その先頭に立つのが、フィンテック企業として世界最大の企業価値を有するアント・フィナンシャル(Ant Financial)だ。
電子商取引のコングロマリット「アリババ」の関連企業であるアント・フィナンシャルは、中国で普及しているデジタル決済サービスである「アリペイ(Alipay)」を運営している。同社はまた、最先端技術にも盛んに投資している。人工知能(AI)、量子コンピューティング、そしてもちろん、ブロックチェーンなどだ。こうした取り組みの大きな目標は、「産業のインターネット」を構築することにある— …
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