スモッグで霞む都市で45キロ先を撮影、ライダー利用した新カメラ
ライダーを利用することで超長距離の撮影を可能にするシステムを中国の研究チームが開発した。単一光子検出器と独自の3D画像処理アルゴリズムを使うことで、都市のスモッグの中、45キロメートル離れた被写体を60センチの分解能で撮影できることを実証した。 by Emerging Technology from the arXiv2019.05.14
地球上での遠距離の写真撮影には困難な課題がある。遠く離れた被写体から十分な光を捉えるのは簡単なことではない。光を捉えられたとしても、大気による歪みで画像が損なわれることもある。大気汚染も歪みをもたらすので、都市部では特に問題になる。そのため、(カメラは地表の曲率を対処するのに十分な高さに設置されていると仮定しても)、数キロメートル以上離れると、あらゆる種類の画像撮影は困難になる。
しかし、近年、研究者は高感度の光検出器を活用してかなり優れた成果を上げ始めている。単一光子を検出できる非常に感度の高い検出器を使えば、検出した単一光子を組み合わせて最大10キロメートル離れた被写体の画像を作成できる。
とはいえ、物理学者はさらなる改良を探求している。そして最近、上海にある中国科学技術大学の黎正平(リ・チェンピン)らの研究チームが、スモッグに覆われた都市環境で最大45キロメートル離れた被写体を撮影する方法を発表した。同研究チームは単一光子検出器と独自の計算画像アルゴリズムを組み合わせて、最もまばらなデータポイントを編成することで超高解像度の画像を実現した。
新手法の原理は比較的単純だ。ライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)を利用して、レーザー光を被写体に照射し、反射光で画像を作成する。
この種のアクティブ・イメージングの大きな利点は、被写体が反射した光子が、検出器と被写体の間の距離から計算した特定の時間範囲に検出器に戻ることだ。そのため、時間範囲内に到着しない光子をすべて無視できる。
この「ゲーティング」は、環境内に存在する被写体以外から …
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