ストビュー画像で自宅確認、自動車事故リスクを予測する新研究
グーグルのストリート・ビューから収集した住居の画像を使って、居住者が交通事故にあう可能性の予測精度を向上できることが分かった。保険業界には興味深い研究だが、プライバシーをめぐって議論を呼ぶ可能性がある。 by Emerging Technology from the arXiv2019.06.12
驚くほど便利なグーグル・ストリート・ビュー(Google Street View)のおかげで、実際に足を踏み入れなくてもさまざまな世界を知ることができるようになった。ストリート・ビューを使えば、旅の計画を立てたり、休暇旅行先を探したり、友人や敵を実質的に付け回したりできる。
さらに研究者はもっと賢い使い方を考えた。2017年にある研究チームは、ストリート・ビューの画像を使って米国内の車種の分布を調べ、そのデータを基に人口統計を作成した。そこで分かったことは、運転する車の車種が、所得水準や教育レベル、職業、さらには選挙での投票行動さえも、驚くほど正確に示しているという事実だ。
現在、別の研究グループがこうした研究をさらに進めている。スタンフォード大学のルカシュ・キジンスキー博士と、ポーランドのワルシャワ大学のキンガ・キタウォジチョフスカ研究員は、住居が映っているストリート・ビューの画像を使って、居住者が自動車事故に巻き込まれる可能性を測定した。保険会社が保険料を設定するのに使える貴重な情報だ。
その結果生じた重要な疑問は、一見無害なように思われるデータ・セットから個人情報が漏洩する危険性、そして組織がそうした情報を商業目的で使用できる可能性である。
保険データ
研究方法は単純だ。研究者は、ポーランドで2013年から2015年の間に自動車保険に加入した2万人分の記録のデータ・セットから始めた。この2万人は、未公開の保険会社のデータベースから無作為に選択したものだ。
記録には、保険契約者の住所と2013年から2015年の保険請求件数が含まれている。さらに保険会社は、最新のリスク・モデルを使用して計算した、将来の保険請求に関する独自の予測も共有した。このリスク・モデルは、保険契約者の郵便番号、ドライバーの年齢、性別、保険金支払記録などを踏まえて作成されたものだ。
キジンスキー博士とキタウォジチョフスカ研究員は …
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