巨大な小惑星が地球に衝突する可能性が、小さいながらも存在するとしたら、私たちはどうするのだろうか? 4月29日から5月3日にかけて、科学者と政府機関が一堂に会し、そのような不測の事態への訓練を実施している。
ワシントンDCで開催されている「プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス(PDC:Planetary Defense Conference)」には、米航空宇宙局(NASA)、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)をはじめとする多くの政府機関が参加し、小惑星の衝突に対する模擬訓練を実施している。これはNASAが参加する6回目の小惑星衝突シナリオに沿った訓練である(日本版注:2017年には日本で第5回PDCが開催された)。
PDCでは、科学者、エンジニア、FEMA代表のような意思決定者らで構成する国際チームが、小惑星が地球に直撃する軌道に出現した場合を想定した現実味のある模擬訓練を実施する(過去にも同様の訓練が生物兵器によるパンデミックの発生を想定して実施されている)。
今回の模擬訓練では、2019 PDCと命名された架空の小惑星が地球に衝突する可能性は当初、100分の1(現実において、実 …