3Dプリント製「火星の家」の住み心地は? NASA主催コンペ決勝へ
2015年から実施されているNASAの宇宙基地設計コンペは、ついに2チームによる決勝戦を残すのみとなった。同コンペでは、再生利用可能な材料と、目的地に存在する資源だけを使って、3Dプリンターで有人ミッションを支援する建造物を作るという困難な課題に各チームが挑んでいる。 by Erin Winick2019.04.26
人類を深宇宙に送り出すのなら、荷物は軽くする必要がある。つまり、現地で見つかる資源は何でも活用すべきだということだ。
2015年以来、米航空宇宙局(NASA)はこれを実現するために、3Dプリントの宇宙基地設計のコンペ(3D Printed Habitat Challenge)を開催してきた。このコンペでは、再生利用可能な材料と、月や火星、その他深宇宙の目的地に存在する資源だけを使って、3Dプリントで有人ミッションを支援する建造物を作ることを競い合う。ここから生まれた設計が、地球での低コスト住宅に採用される可能性もある。
そして、ついに同コンペの勝者が決定する。4月29日から5月4日にかけてイリノイ州ピオリアで開催される決勝戦では、2チームが3日間かけて、3Dプリンターで各自の設計を砂利道の上で形にしていくことになる。決勝に進出したのは、AIスペースファクトリー(AI SpaceFactory)とペンシルベニア州立大学の2チームだ(後述するように、実は3チームが選ばれたが、1チームは辞退した)。記者がボストンにあるオートデスク・ビルド・スペース(オートデスクがスタートアップや大学向けに提供しているオープンなワークスペース)にAIスペースファクトリーを訪れたのは、彼らがちょうど重さ13トン以上もある巨大なプリント・システムの荷造 …
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