アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員ら進歩主義派によって提案されたグリーン・ニューディールは、気候変動に関する米国の議論を大きく変えた。グリーン・ニューディールは、気候変動やその他の社会的課題、特に不平等に取り組むための決定力のある計画的な公共投資を求めている。
この種の直接投資は「産業政策」として知られ、経済学者の間で長い間論議の種になっている。しかし、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに新設されたイノベーション公共目的研究所(Institute for Innovation and Public Purpose)の創設者である経済学者、マリアナ・マッツカート教授は、産業政策のアプローチを「ミッション指向のイノベーション政策」と呼び、その必要性について多くのことを語っている。
マッツカート教授は 『企業家としての国家 -イノベーション力で官は民に劣るという神話-(原題:"The Entrepreneurial State")』の著者だ。より最近の著作 『The Value of Everything』(すべてのものの価値:未邦訳)では、インターネットからバイオテクノロジーに至る重要な技術的進歩には、公的資金が不可欠であると強調している。グリーン・ニューディールについて、そして気候変動やその他の大きな社会的課題に取り組むためにどのように産業政策が使えるのか、マッツカート教授に尋ねた。
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——産業政策は経済学者の間で悪者にされることがしばしばあります。そこまで熱心に研究される理由を教えてください。
第一に、産業政策にはいろいろな種類があります。有効なものもあれば、無効なものもあります。問題のある産業政策は、経済の限られた部分で …