ボストン・ダイナミクス、頭脳強化で脱「おもしろロボット」へ
ソフトバンク傘下のボストン・ダイナミクスがコンピューター・ビジョンや機械学習を手がけるベンチャー企業を買収し、倉庫ロボットの本格的な商用化へ動き出す。これまでユニークな動きで注目されてきたロボット企業にとって、大きな転換点となりそうだ。 by Will Knight2019.04.12
曲芸技をこなし、奇妙に生々しく、ときどき転んでしまうロボットを生み出すことで有名なボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)がいま、自らの創造物に現実世界で必要となる「頭脳」を与えてくれるテクノロジーを手に入れようとしている。
ボストン・ダイナミクスは4月2日、カリフォルニア州を拠点とするスタートアップ企業キネマ・システムズ(Kinema Systems)を買収すると発表した。キネマが手がけているのは、倉庫ロボット向けのコンピューター・ビジョンや機械学習システムだ。これまで研究者相手にテクノロジーを売るだけだったボストン・ダイナミクスは、この買収で西海岸に事業拠点を設け、商業販売に向けた第一歩を踏み出す。
キネマは企業向けに、倉庫や工場に届く大量の箱の運搬を支援するテクノロジーを販売している。パレットから倉庫へ荷物を移す作業は、作業ロボットには難しい。扱う箱のサイズはまちまちで、あちこちにステッカーが張ってあり、雑に積み上げてあるからだ。さらに悪いことに、設置場所によって照明の具合にかなりの差があるため、作業内容の把握が困難になる。
キネマは従来のカメラ、2Dと3Dのコンピューター・ビジョン・アルゴリズム、それに機械学習を組み合わせて、この問題に対処している。このシステムによって、どこまでが1つの箱 …
- 人気の記事ランキング
-
- OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
- Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 無料イベント「U35イノベーターと考える研究者のキャリア戦略」のご案内
- AI means the end of internet search as we’ve known it 「ググる」時代の終わり、 世界の知識を解き放つ 生成AI検索がもたらすもの
- 10 Breakthrough Technologies 2025 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版
- Driving into the future 「世界を変える10大技術」の舞台裏、2024年の誤算とは?