3月27日、インドはミサイルで自国の衛星の一つを撃墜したと発表した。だが、米国航空宇宙局(NASA)のジム・ブライデンスタイン長官は感心しなかった。「故意に残骸をまき散らすのは誤った行為です。宇宙を破壊すると、元に戻せなくなります」。
ブライデンスタイン長官は、ますます深刻な問題となっている宇宙ゴミ(デブリ)について言及していたのだ。稼働していない衛星、放置されたロケット、以前の衝突による残骸などが、運用中の衛星や有人の宇宙船、そして国際宇宙ステーション(ISS)にさえ脅威を与えている。
インドの衛星破壊実験で発生したデブリについてはまだ十分なデータが得られていないが、追跡会社が該当エリアをしっかり監視するだろう。ある政府高官がロイター通信に語ったところによると、ペンタゴン(米国防総省)は現時点で250の破片を監視しているという。おそらく撃破により大量の金属の破片がまき散らされただろうが、これは比較的低い高度で起こった。大部分は数カ月以内に地球の大気圏内に落ちてくるだろう。
ブライデンスタイン長官はインドのテストに不快感を表したが、デブリの専門家は現在、もっと深刻な懸念を抱いている。現在提案されている、もっと高い軌道を回る衛星の「巨大コンステレーション」は、はるかに大きな、長期にわたって継続する問題を起こす可能性がある。
今日のデブリの約半分は、2つの出来事から発生している。2007年の中国政府による衛星破壊テストと、2009年の2つの衛星(通信衛星イリジウムとロシア軍事衛星)による衝突事故だ。
しかし、地球低軌道(low Earth orbit:LEO) をはるか混雑させる計画がある。たとえば、衛星通信のスタートアップ企業であるワンウェブ(OneWeb)は、900基の小型衛星を軌道に乗せ、ブロードバンド・インターネット接続が使えない場所に衛星回線を提供する計画だ。一方、スペースXは …