何百万人もが投票に行くのだから、選挙日に相応の出来事が起きるのは当然だ。だが、テクノロジーのせいで起きることもある
まず、ハッカーが投票所を混乱に陥れる可能性がある。ハッカーは有権者の投票そのものには干渉しないだろうが、もし選挙結果を本当に歪めたいなら、投票者の登録情報に手を加えるだろう。したがって、投票所で投票できなければ、ハッカーのせいだ。
さらに、インターネット投票の問題がある。合計31州が何らかの形でインターネット投票を受け付けている。アラスカ州では誰でもWebサイト経由で投票できる。インターネット投票は危険な行為だとわかっているにもかかわらず、ハッキングや改ざんできる状態だ。
投票機にも問題がある。多くの電子投票機はインターネットに接続されていないが、誰かが物理的に投票機に侵入すれば不正操作できる。やろうと思えば、フロリダ州のような激戦州の投票結果を変えられる。大統領選挙の結果に深刻な影響を与えかねないのだ。
不正行為がなくても投票機が故障する恐れはある。理論上、故障やソフトウェアの欠陥が発生した投票機の結果を照合するには、紙の記録が必要だ。残念なことに、11州では紙の記録を残さない投票機が使われている。
投票所の外でも、テクノロジーは投票結果への社会的影響を作り出しかねない。データ専門家とジャーナリストから成るボートキャスター(VoteCastr)は、逐次的に結果を予測するのではなく、ニュースサイト「スレート」でリアルタイムに分析結果を伝えている。おかげで選挙がどう展開しているかリアルタイムでわかるが、有権者がわざわざ投票に行く価値があるかどうかの参考にすれば、VoteCastrが結果を歪める可能性があると懸念されている。
当然、こうしたハッキングや障害のすべての危険は誇張されている可能性がある。大統領選挙で紙を用いない電子投票機を使う州は前回よりも少なくなっており、選挙後に投票結果の監査の実施を求める州は増えている。すべてのメディアが危険性を報じているが、今回の投票は過去最も安全だ。
たとえ何かが起きても、ジャーナリストと学生で構成された組織がソーシャルメディアを精査して投票過程で起きた問題を発見するだろう。エレクションランドは戦略の一環として、投票権を行使できているかどうかを確かめるために、150人以上がデータを調査する。上記の懸念はあるが、投票の権利は誰もが行使すべきであることは間違いない。
(関連記事:“How Hackers Could Send Your Polling Station into Chaos,” “The Internet Is No Place for Elections,” “Election Monitors to Use Social Media as a Way to Find Voting Problems”)