KADOKAWA Technology Review
×
テック企業は「シャローフェイク」に対処を、人権活動家ら訴え
Jeremy Portje
ニュース 無料会員限定
Deepfakes are solvable—but don’t forget that “shallowfakes” are already pervasive

テック企業は「シャローフェイク」に対処を、人権活動家ら訴え

人工知能(AI)を利用して偽の画像や映像を合成する「ディープフェイク」の問題が注目されている。だが人権活動家らはその前に「シャローフェイク」によるデマがすでに社会に蔓延していることに注目すべきだという。 by Bobbie Johnson2019.04.03

テック業界は、人工知能(AI)を利用して偽の音声と映像を合成する「ディープフェイク」が社会に広く拡散する前に抑え込む、またとない機会を有している。こう語るのは、人権活動家のサム・グレゴリーだ。

だが、テック業界の主だった企業が、ディープフェイクよりも雑な作りの「シャロー(shallow=浅い)フェイク」によるデマの蔓延と、より深刻な被害の問題を抑え込むのには、まだまだ時間がかかりそうだとグレゴリーは指摘する。

グレゴリーは、動画を利用した基本的人権の保護に取り組んでいる組織「ウィットネス(WITNESS)」のプログラム・マネジャーだ。活動家や被害者が虐待を明らかにする目的で動画を利用するのを支援したり、あるいは逆に独裁政権が反対派を抑え込むために動画を利用したりするケースを監視したりしている。

3月25日に開催されたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTechデジタル(EmTech Digital)」に登壇したグレゴリーは、私たちが現在目にしているディープフェイクは「嵐の前の静けさ」だと話した。

「悪質な合成メディアはまだ広くは使われていません。ツールもまだ商品化されておらず、スマホで使えるようにはなっていません」。現在はまさに、ディープフェイクの作成者にとって、悪質な合成メディアと闘う方法を確立し、悪人が技術を広範囲に展開する …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る