ブロックチェーンの世界でいま、もっとも話題になっているのがダイ(Dai)だ。ダイはイーサリアムベースの暗号トークンで、スマート・コントラクトを使って供給を調整している。その目的はダイの価格を安定させるとともに、米ドルに固定するためだ。ダイを支持する人々は、ダイが非中央集権型金融システムでもっとも重要な部分になると想像している。理論上はこのシステムは、たとえば、銀行口座や与信歴がないために従来のシステムを利用できない人々が貸付などの金融サービスを利用できるようにするはずだ。
しかし、メイカーダオ(MakerDao)という企業によって開発されたダイは、確かに現在評判を呼んでいる一方、最近の展開は、ダイの将来性がまったく確実なものではないことを示している。
3月15日に、米国証券取引委員会(SEC)企業金融部門でデジタル資産を担当するバレリー・シュシェパニャク上席顧問は、いわゆるステーブルコイン(安定通貨)には、有価証券に該当するものが含まれる可能性があるとの認識を示した。有価証券となれば、該当するステーブルコインは厳格かつ多額の費用がかかる規制に従わなければならない。
シュシェパニャク上席顧問によると、ステーブルコインには3つのカテゴリーがある。第一は金などの実物資産で担保されているもので、第二はステーブルコイン発行者の銀行口座に保管されている法定紙幣で担保されているものもある。第三はダイのように価格の安定性を維持するために、より複雑な …