中国、海外テック企業にデータ開示と捜査協力を強いる新規制を発表
中国のインターネット新規制は、中国内で活動する米国のテック企業を萎縮させるかもしれない。 by Jamie Condliffe2016.11.08
中国が、自国内で営業する外国のテック企業を対象に、過去最も厳しいサイバーセキュリティの新規定を発表した。
月曜日に発表された規定は、データとハードウェアの監視について、中国の中央政府当局により強大な権限を与えている。とりわけ、この法律は企業を政府の非常に厳しい監視の下に置き、もし当局が外国企業の犯罪を疑ったら、捜査への協力とデータへのフルアクセス権を要求している。法律はまた、企業のシステムがハッキングに耐えられることの証明を要求している。
全国人民代表大会常任委員会が承認した新政策は、2017年6月に施行予定で、表向きは強まる海外からのハッキングとテロの脅威に中国が対応するための試みだ。中国は、過去にしばしばハッキングの標的にされ、発生率が上昇していると主張している。ロイター通信によると、常任委員会のメンバーであるヤン・ヘキングは、「巨大なインターネットのセキュリティリスクに直面する国のひとつとして、中国は至急ネットワークセキュリティの法体系を打ち立て、完成させなければならない」と述べた。
国家はお人よしの傍観者ではない。中国が多くの攻撃に耐えていたはずの期間、中国も数多くの攻撃をしていた。一方で、中国による攻撃回数は、オバマ大統領と中国の習近平国家主席間で交わされた、サイバースパイ活動の割合を削減する合意後、低下した可能性がある。しかしMIT Technology Reviewは、攻撃が単純に減っただけかもしれないことを伝えている。
新規定は、中国事業に挑戦中の欧米企業に影響を与えるだろう。在中米国商工会議所のジェームス・ジマーマン会長は「中国政府がデジタルシステムと情報のセキュリティを確かにしたいのは構わないが、この法律ではできないでしょう。その代わりに、商取引や革新に障壁を作ってしまいます」とブルームバーグに述べた。
厳格な規制は技術的な進歩において疑いなく敵である。しかし、テック業界の巨人は、自分たちのデータを当局へ開示する際の要件のほうが心配なようだ。過去には、中国で、ヤフーやグーグル、マイクロソフトが中国政府の圧力に屈し、データの検閲や当局との共有を強いられてきた。こうした行為は米国議会から厳しい批判を受け、2010年には、グーグルは検閲とセキュリティ上の懸念をめぐって、中国本土における検索事業を休止した。
予想に反し、フェイスブックは2009年からサイトをブロックされているにもかかわらず、今のところ中国で挑戦する決定を保ち続けている。新規定に直面して、その非常な熱意が続くかどうかはまだわからない。
(関連記事:Reuters, Bloomberg, “マーク・ザッカーバーグはなぜ中国にこびを売るのか?,” “The Best and Worst Internet Experience in the World,” “中国のサイバー攻撃は なぜ減少したのか?”)
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クレジット | Photograph by Pool | Getty |
- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。