量子コンピューティングと人工知能(AI)をめぐっては、どちらもばかばかしいほどの誇大広告で溢れている。だが、この2つのテクノロジーを組み合わせれば、実際に新しい可能性が開けるかもしれない。
IBMとマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、IBMの量子コンピューターを使って特徴量マッチングと呼ばれる特定の機械学習タスクを加速させる方法を発表した。研究チームは将来の量子コンピューターによって、機械学習は新たなレベルに到達するだろうと述べている。研究成果は3月13日付のネイチャー誌に掲載された。
数十年前に最初に予想されたとおり、量子コンピューターは従来とは異なる方法で情報を計算処理するものと考えられてきた。原理的には、量子や原子スケールの物理学が持つ奇妙で確率論的な性質を利用することで、量子コンピューターはある種の計算を従来のコンピューターをはるかに超える速度で実行できるはずだ(「量子コンピューターとは何か?ニュースを読む前に押さえたい基礎知識」を参照)。ついにその量子コンピューターの実用化が目前に迫ったことで、その将来性に対して大きな興奮が巻き起こっている。
だが同時に、大規模な量子コンピューターは現時点では存在しないため …