KADOKAWA Technology Review
×
量子コンピューターで機械学習タスクの限界を克服、IBMとMIT
IBM
ニュース 無料会員限定
Quantum computing should supercharge this machine-learning technique

量子コンピューターで機械学習タスクの限界を克服、IBMとMIT

IBMとMITの研究チームは、量子コンピューターを使って機械学習を新たなレベルに到達させようと取り組んでいる。新たな潮流となりそうだ。 by Will Knight2019.03.29

量子コンピューティングと人工知能(AI)をめぐっては、どちらもばかばかしいほどの誇大広告で溢れている。だが、この2つのテクノロジーを組み合わせれば、実際に新しい可能性が開けるかもしれない。

IBMとマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、IBMの量子コンピューターを使って特徴量マッチングと呼ばれる特定の機械学習タスクを加速させる方法を発表した。研究チームは将来の量子コンピューターによって、機械学習は新たなレベルに到達するだろうと述べている。研究成果は3月13日付のネイチャー誌に掲載された。

数十年前に最初に予想されたとおり、量子コンピューターは従来とは異なる方法で情報を計算処理するものと考えられてきた。原理的には、量子や原子スケールの物理学が持つ奇妙で確率論的な性質を利用することで、量子コンピューターはある種の計算を従来のコンピューターをはるかに超える速度で実行できるはずだ(「量子コンピューターとは何か?ニュースを読む前に押さえたい基礎知識」を参照)。ついにその量子コンピューターの実用化が目前に迫ったことで、その将来性に対して大きな興奮が巻き起こっている。

だが同時に、大規模な量子コンピューターは現時点では存在しないため …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  3. The race to find new materials with AI needs more data. Meta is giving massive amounts away for free. メタ、材料科学向けの最大規模のデータセットとAIモデルを無償公開
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る