人工知能(AI)に関して米国は、狂気じみた考えに賭ける慣習がある。
米国国防先端研究計画局(DARPA)は3月第1週、20億ドルを投じる新5カ年計画「AIネクスト(AI Next)」の一環として、いくつかのプロジェクトを紹介した。プロジェクトの目的は、AIに新たな躍進をもたらす次世代の並外れた構想を促進することにあり、「機械に常識的判断を与える」「より少ないデータを使ってより早く学習させる」「新しいAIの機能を送り込める再構成可能なチップの開発」などの取り組みが含まれている。
DARPAのイベントで演説したホワイトハウスのマイケル・クラッツィオス技術政策担当大統領補佐官は、「DARPA の活動は、AI分野で有利な立場を取るという政府の重要な計画の一環です」と述べた。「トランプ政権はDARPAの取り組みを支持し、AIの開発と応用への高い関心を共有しています」とも話した。
トランプ大統領は先月、米国政府のAI戦略「米国AIイニシアティブ」を開始する大統領令に署名した。政府の副最高技術責任者でもあるクラッツィオス補佐官はホワイトハウスのAI戦略の推進役だ。米国AIイニシアティブは、連邦機関に対してAIへのより多くの投資、データやコンピューティング資源のAI研究者への提供を求めている。「DARPAは基礎研究に早くから投資してきた長い歴史があり、驚くような成果をあげています。AIネクストは、AI研究でのこうした成功をもとにしています」(クラッツィオス補佐官)。
1957年のDARPA開設以来、さまざまな実績があるものの、多くのプロジェクトは大きなブレークスルーには繋がらなかった。だが、DARPAにはいくつか注目すべき成 …