火星の生命体探査に一役? チリの砂漠でデッドゾーンを発見
米国航空宇宙局(NASA)の火星探査車「マーズ2020ローバーミッション」の調査計画作りに役立てるために、火星表面の環境に似たチリのアタカマ砂漠で、火星での生命体探索を模した調査が実施された。その結果、こうした環境では生命体は非常にまばらであり、火星の表面をやみくもに掘っても、生命体を発見できる可能性が低いことが示された。 by Erin Winick2019.03.06
2020年、火星への2つの新ミッションが実施を予定されている。「マーズ2020ローバー(Mars 2020 Rover)」はまだ地球を旅立っていないが、ミッションチームがすでに発見したことがある。
チリのアタカマ砂漠は、地球上でもっとも乾燥した場所の1つだ。雨が何十年と降っていないため、土壌には数多くのミネラルが蓄積され、塩分の大変多い環境を作り出している。そこがまるで火星にそっくりなのだ。そのためアタカマ砂漠は今後の火星ミッションに向けた試験場として最適だとされている。
イェール大学のスティーヴン・ポインティング教授(微生物生態学)とそのチームが、アタカマ砂漠でマーズ2020ローバーの模型を使って地表下の微生物を分析することに決めたのも、まさにそうした理由による。 チームは砂漠で1カ月を過ごし、あたかも火星にいるかのようにコマンドをローバーに送信して生命体を探した。つまり、送信されたすべてのコマンド信号に長い遅延を持たせ、ローバーも同じように低速で移動した。
2月28日にフロンティア(frontiers)に掲載された …
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