やっぱり炭水化物は肥満の元
料理と文化と健康の関係をビッグデータ分析
何を食べているかでどんな人間なのかわかる。ビッグデータ分析により、食べ物と移民、健康の関係が見えてきた。 by Emerging Technology from the arXiv2016.11.04
19世紀の法律家ジャン・ブリア=サバランは、美食に関する有名な著書『美味礼讃』で「Dis-moi ce que tu manges, je te dirai ce que tu es.(どんなものを食べているのかを話してくれたら、君がどんな人であるのかを言い当てよう)」と述べている。
この考え方(食べているものがその人を表す)は、ますます人気だ。ブリア=サバランの時代から、さまざまな料理本や健康ガイドのタイトルに使われてきたし、ある種の人にとっては、生き方そのものだ。
もしブリア=サバランのフレーズに何かの真実が含まれているとすれば、公衆衛生と密接な関わり合いがあるはずだ。たとえば、インド料理とメキシカン、イタリアン、中華料理はまったく異なることは経験的にはわかっている。しかしその違いを定量化する方法はほとんどわからない。むしろ正確には、世界中の料理がどう異なるのか、どのように健康に影響しているのか、ほとんど理解されていないのだ。
11月3日、その状況はシャリフ工科大学(イラン)のシーナ・サヤドマネッシュ研究員のグループのおかげで、ある程度変わってきた。研究チームはWebからレシピを集めて巨大なデータベースを作り、料理ごとに分類して、料理同士の関係や世界各地の健康対策等、他の要因との関係を分析したのだ。
さまざまな料理がどのように似た材料と結びついているのか、特定の材料がどのようにある料理を特徴づけているのか、食べ物がどう健康に影響しているのかを示す、初めての研究だ。
研究チームは、レシピのレコメンドアプリであるYummly(ヤムリー)からデータベースを収集することから始めた。200種類の料理について、約15万件のレシピをダウンロードし、そのうち100件以上のレシピがある82種類の料理を研究対象にした。レシピ全体では合計約3000種類の材料が使われていた。
研究 …
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