10年以上前にグーグルとXプライズ財団は、民間による初の月面探査ミッションの成功を競うコンテスト「グーグル・ルナ・エックス・プライズ(GLXP:Google Lunar X Prize)」に2000万ドルの賞金を用意した。グーグル・ルナ・エックス・プライズは2018年1月に、受賞者がないまま終了が公式に宣言されたが、コンテストの元参加者が新たな挑戦をしている。イスラエルの民間団体であるスペースIL(SpaceIL)の月面探査機「ベレシート(Beresheet)」が、スペースXの「ファルコン(Falcon)9」ロケットに搭載されて、米国東部時間の2月21日午後8時45分にフロリダ州ケープ・カナベラル発射基地から打ち上げられた。
エックス・プライズの継続的なインパクト
グーグル・ルナ・エックス・プライズが発表された2007年以降に、月に到達した探査機はたった4機だ。これらはすべて政府の資金によるもので、中国が打ち上げた2機だけが月面を動き回ることができた。月面を移動することは、グーグル・ルナ・エックスプライズが掲げたミッションの1つだった(「時間切れ」の月面探査コンテストが育んだ、宇宙ビジネスへの夢」を参照)。
2018年3月31日付けでグーグル・ルナ・エックスプライズが打ち切りとなった時、金銭面のことは話題に上っていない。しかしコンテストに参加した多くのチームにとっては、それが切実な問題となっている。スペースILの探査機が最初に打ち上げられてから、コンテストの元参加者らの少なくとも5つが現在、打ち上げ契約を確保しており、今後2年間のうちに月へ飛び立つことになっている。月面着陸を許可された初めて民間企業であるムーン・エク …