カリフォルニア州ロス・ガトス在住のシンディ・シャンカーさん(67歳)は2015年12月に乳がんと診断され、医師のアドバイスで両乳房を切除した。数カ月後、シャンカーさんは組織伸展による乳房再建の臨床試験を受けてみないか、と誘われた。
近年、両乳腺切除の割合が増加し、手術後に乳房を再建するかどうか、決断を迫られる患者が増えている。過去数十年間、乳房の再建には生理食塩水を注入し、胸部周辺の組織を伸展し、永久刺入用のスペースを確保する必要があった。しかし、胸部の拡張には痛みが伴い、しかも2カ月間、毎週通院が必要だった。しかし、新型の装置が登場し、従来より痛みが少なく、利便性が高く、時間も節約できるようになった。
携帯型の無針装置「AeroForm(エアロフォーム)」は、胸部組織を徐々に伸展するために、従来の生理食塩水ではなく二酸化炭素を使う。シャンカーさんはためらうことなくコロンビア大学による臨床試験に参加し、病院に何度も予約を入れる必要がなく、自宅で装置を使える点が素晴らしい、という。
「自分で回復を管理できることを実感しました」(シャンカーさん)
臨床試験の責任者で、コロンビア大学医療センターのジェフリー・アッシャーマン医師(外科 …