「空飛ぶクルマ」いつ実現?
ダボス会議で語られた道筋
空の移動革命へ向けた動きが慌ただしい。日本でも経済産業省が中心となり、「空飛ぶ車」の2023年の事業化を目指している。1月に開かれたダボス会議での専門家パネルでは、空飛ぶ車の実用化への見通しが語られた。 by Gideon Lichfield2019.02.22
2週間前なら、私は「空飛ぶ車」は何十年前と変わらず、テクノ・ユートピアのファンタジー世界にあるものだと言っていただろう。でも、いまならそうとも言えない。
今後数年間で、およそ20種類の空中移動手段が市場に出回ると推定されている(下表参照)。4〜18個のローターで空中を飛ぶドローンのようなのものもあるが、大部分は垂直離着陸(VTOL)をするための上向きのプロペラを持ち、前方飛行するときはプロペラを前方に傾けられる固定翼機だ。
夢のような話とは別に、現実的な動きもある。エアバスやボーイングがプロジェクトを推進する一方で、多くの小規模企業も積極的に開発を進めている。ドイツのボロコプター(Volocopter)は今年、シンガポールで飛行タクシーの試験を開始する予定だ。ウーバー(Uber)は 、テキサス州フリスコとダラス・フォートワース空港間のサービス実現に向けて来年試験運転を開始し、2023年に商業飛行を開始する計画を発表している。ウーバーは5社の空飛ぶ車メーカーと提携している。
名称および 製造者
種類
最初の試験飛行※
出荷予定
エアロモービル 4.0(Aeromobil 4.0)
折りたたみ翼 STOL
2014年(3.0 モデル)
2020年
エアロモービル 5.0(Aeromobil 5.0)
折りたたみ翼 VTOL
−
2025年以降
ポップ・アップ・ネクスト(Pop.Up Next:エアバス/アウディ)
クアッドコプター
2018年(縮尺モデルのみ)
不明
ヴァハナ(Vahana:エアバス)
固定翼VTOL
2018年
2020年
オーロラ(Aurora :ボーイング)
固定翼 VTOL
2019年
2023年(ウーバー向け)
エハン184(Ehang 184)
クアッドコプター
2018年
2019年?
ボロコプター(Volocopter)
18ローター式ドローン
2016年
2019年試験飛行
ジョビー・アビエーション(Joby Aviation)
固定翼VTOL
−
不明
リリウム(Lilium)
固定翼VTOL
2017年
2025年以前
モラー・スカイカー(Moller Skycar)
固定翼 VTOL
2003年
不明
パルV(Pal-V)
シングル・ローター式ジャイロコプター
2012年
2020年
テラフージア・トランジション(Terrafugia Transition)
固定翼STOL
2009年
2019年
ボルコ・ネオXクラフト(VRCO NeoXcraft)
ティルト・ローター式クアッドコプター
−
2020年?
キティ・ホーク・コラ(Kitty Hawk Cora:旧ジー・エアロ・ジー(Zee.Aero Zee))
固定翼 VTOL
2016年
不明
オープナー・ブラックフライ(Opener BlackFly)
固定翼VTOL
2018年
不明
カレム・バタフライ(Karem Butterfly)
固定翼VTOL
−
2023年(ウーバー向け)
ベル・ネクサス(Bell Nexus)
ティルト・ローター式ヘクサコプター
−
2023年(ウーバー向け) または 2025年
エンブラエルX(Embraer X)
後部プロペラ付オクトコプター
−
2023年(ウーバー向け)
ピピストレル(Pipistrel)
固定翼 VTOL
−
2023年(ウーバー向け)
※生産前モデルの最初の飛行として知られている年
だが、空飛ぶ車は安全なのだろうか? 超富裕層以外が買えるようになるのだろうか? 1月にスイスのダボスで開催された世界経済 …
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