人工知能(AI)の分野では目もくらむような進歩が起こっているのに、ロボットたちはいまだに恐ろしく不器用なままだ。
ロボットの適応力と器用さを高めるため、研究者や企業の間では機械学習を使う動きが進んでいる。これには通常、ロボットの前に置いてある物体の映像を与えて、その物体を操作するにはどう動くべきかを考えさせる方法を使う。たとえば、サンフランシスコにある非営利組織「オープンAI(OpenAI)」の研究者らは、このやりかたでロボットハンドにおもちゃのブロックの扱い方を教えた。
だが人間の場合はもちろん、視覚だけを使って物体の扱い方を学ぶわけではない。視覚は触覚と組み合わせて使われる。そうして私たちは、不安定に置かれた物体はおそらく落下するだろうということを、早いうちに学ぶのである。
このことに着想を得たのが、マサチューセッツ工科大学(MIT)のニマ・ファゼリ研究助手たちが開発した新しいロボットである。このロボットには、実世界の物理法則に対する基礎的な知識が与えられている。そして、実際に使用できる触覚もだ。
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