フランスの国際的貨物輸送企業ログフレ(Logfret)創業者の孫で、米国法人で販売担当役員を務めるアレクサンダー・ミレーが、中国から米国へ、あるいは米国からヨーロッパに発送する貨物を予約する方法は、祖父ジャン・フランソワ・ミレーが1970年代に同社を設立したときとほとんど変わらない。ログフレは、世界的な代理店ネットワークを活用し、各国の関税、税金、罰金、港湾の要件を知り抜いており、ミレーは、トラック運送会社や航空会社、船主と価格交渉し、大量の貨物輸送による好条件を引き出し、節約した一部を顧客に還元する。
ミレーは24時間以内に顧客に見積りを出すように心掛けているが、貨物輸送業界では、通常、運送費の見積りを出すだけでも2~3日かかることも珍しくない。商品や原材料を鉄道や船、飛行機で発送する1兆ドルのグローバルビジネスは、透明性とスピードの両方において、他の業界がこれまで経験してきたコンピューター化やクラウド化の波をほとんどかぶっていない。デジタル化への全面的な見直しを怠ったのが大きな原因だ。一方で、資金力が豊富な成長中のスタートアップ企業が、海運業界の変革を推し進めている。
たとえば、今年参入したオンライン市場のフレイトス(本社イスラエル)は、旅行案内サイト「エクスペディア」の貨物版のような役割を果たし、送り主がオンラインで予約できるようにした。フレイトス起業のきっかけは、創業 …