米国で激増「オピオイド中毒死」は新スマホアプリで救えるか
米国で蔓延しているオピオイド(麻薬性鎮痛薬)の中毒死を防ぐスマホアプリをワシントン大学の研究チームが開発した。ユーザーの呼吸や身体の動きから過剰摂取状態を特定し、助けを呼ぶことができる。 by Charlotte Jee2019.01.17
米国ではオピオイド(麻薬性鎮痛薬)が蔓延している。毎日115人の米国人が、フェンタニル(合成オピオイドの一種)によって亡くなっており、圧倒的に多い死亡要因となっている。毎年、米国の薬物による死者は、銃による暴力や自動車事故による死者を上回っている。 しかしながら、早期に対処すれば、オピオイドの過剰摂取から完全に回復できる。新しく開発されたスマホ・アプリが、過剰摂取した人を特定し、家族や救急サービスに連絡して助けを求めることで、救命活動の役に立つ日がくるかもしれない。
ワシントン大学のチームによって開発されたこのシステムは、内蔵スピーカーとマイクを利用して、スマホを効果的にソナー機器へと変換する。アルゴリズムが、反射される音波の割合を分析して、その人の呼吸が遅くなったり、止まったり(無呼吸)していないか、あるいは、身体が動いていないことはないかなど、過剰摂取が始まったことを示すあらゆる兆候を特定する。
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