KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
逆風のシリコンバレー
GAFAが掲げるべき
「新年の抱負」
Ms Tech
カバーストーリー 無料会員限定
Seven New Year’s resolutions for Big Tech in 2019

逆風のシリコンバレー
GAFAが掲げるべき
「新年の抱負」

2018年はGAFAに代表される巨大テック企業に対する逆風が強まった1年だった。あやまちを繰り返さないために、テック企業は2019年に7つの課題を解決すべきだ。 by Martin Giles2019.01.07

フェイスブックの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグは毎年1月、一般に向けて新年の抱負を語るのが恒例となっている。2018年の抱負は「フェイスブックを立て直す」だったが、この1年でソーシャルメディアの巨人たるフェイスブックが引き起こしてきた一連のプライバシー・スキャンダルを考えれば、これは明らかな大失敗に終わった。ツイッターやグーグルといった有名テック企業もまた、2018年は炎上騒ぎを引き起こした。

こうしたバックラッシュ(反発)――あるいは「テックラッシュ(テック企業に対するバックラッシュ)」と言うべきか――は2019年にも持ち越されることになりそうだ。さらにこれら巨大テック企業が次に述べる数々の問題を解決しない限り、状況はより一層悪くなる可能性さえある。

1. 人々のデータ保護を大幅に強化する

これは主にフェイスブックに当てはまる。フェイスブックは体質的に、ユーザー情報の外部への流出を防ぐことができていない。3月に起きたケンブリッジ・アナリティカ問題では、ザッカーバーグCEOが議会で問題について説明する事態になったにもかかわらず、フェイスブックはまるでざるのように個人データを流出させ続けている。だが、問題を抱えているのはフェイスブックだけではない。10月にはセキュリティ上の欠陥により、グーグルのソーシャルネットワークから50万人分のユーザーデータが流出した。

もし巨大テック企業の対処がまだなら、2019年は徹底した監査を実施し、自社製アプリやサードパーティ製のアプリをはじめとする、あらゆる経路からの個人情報の流出を防ぐべきだ。2018年に施行された欧州の一般データ保護規則(GDPR)では違反者に対して巨額の制裁金が課される。米国は、GDPRに触発された国家的なデータ・プライバシー保護制度を確立し、こうした動きをサポートしていくべきだ。テック企業のロビイストたちが規制を骨抜きする動きがあれば、テック企業がこの問題の解決に真剣に取り組むつもりがないのは明らかだということになる。

2.ヘイトスピーチとフェイクニュースの問題解決にもっと力を入れる

2018年は、ソーシャルメディアの操作によって世界中で暴力を引き起こせることがよりはっきりした年だった。フェイスブックはミャンマーでのロヒンギャに対する暴動を引き起こす投稿があったことを認め、スリランカでは国内の緊張を煽るために利用されるという懸念から、フェイスブックの利用が一時的に禁止されている。米国では、ツイッターが極右の陰謀論者であるアレックス・ジョーンズと、 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
  2. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  3. This Texas chemical plant could get its own nuclear reactors 化学工場に小型原子炉、ダウ・ケミカルらが初の敷地内設置を申請
  4. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る