アンドリュー・ヤンは今年2月、2020年民主党大統領予備選への出馬を表明した。 ヤンが掲げる政策は、自動化に対する備えだ。
どのような備えを考えているのか。米ニューヨークで12月6日に開催されたワーク・オーサム・カンファレンス(Work Awesome conference)で、ヤンに直接話を聞く機会を得た。ヤンがもっとも力を入れて訴えているユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI=全国民向け最低所得保障)に加え、トラック輸送自動化や人工知能(AI)政策における政策姿勢についてインタビューした。
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——他の大統領候補者がほとんど取り上げない、自動化とUBIに注目する理由を教えてください。
この問題が、いまある社会的、経済的、政治的な機能不全を促進していると確信したからです。ドナルド・トランプが米大統領選を制する結果になったのは、選挙結果を左右するミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州、ウィスコンシン州、ミズーリ州、アイオワ州で製造業の自動化によって400万人の仕事が奪われ、これらすべての州でトランプが勝利したからです。今後、小売、コールセンター、ファーストフード、トラック輸送といった経済界全体に渡って次々と同様のことが起き、数百万人の仕事が奪われることをテクノロジー業界で働く人々はよく理解しています。
私が訴える政策は、初めから決まってました。大統領に立候補するから、重点政策を決定したのではありません。現在、産業における世界の経済変化は3回目の大転換期を迎えていますが、米国の政治家はそのことをまったく理解していません。だから、大統領に立候補しようと思ったのです。
——自動化は総合的に米国にマイナスの変化をもたらすと考えていますか?
分かりやすいのでトラック運転の仕事を例にしますが、トラック輸送の自動化は歓迎すべきことだと思います。 数千人の命を救うことになるからです。トラック・ドライバーが関わる事故で、毎年約4000人の米国人が死亡しています。
その反面、トラックの運転で生計を立てている米国人は350万人います。トラック・ドライバーが立ち寄るトラック・ストップ(ドライブ・イン)やモーテル、飲食店で働く500万人の米国人も考慮にいれると、自動化 …