宇宙への「相乗り」時代到来、スペースXが運んだ意外なモノたち
12月2日に打ち上げられたスペースXのロケットは、過去最大の「相乗り」ミッションだった。宇宙への夢を抱く個人から美術館のような組織まで、彼らが宇宙に持ち込んだモノは実にさまざまだ。 by Erin Winick2018.12.11
二度に及ぶ打ち上げ延期後の12月2日、60基を超える人工衛星が宇宙へと飛び立つ。今回の打ち上げがすべて計画通り進めば、過去最大級の「相乗り」ミッションとなる(日本版編注:本記事のオリジナルは11月30日付米国版で公開。記事掲載後、ロケットは打ち上げに成功している)。
今回の大規模な合同打ち上げは、スペースフライト・インダストリーズ(Spaceflight Industries)が企画したもので、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から、スペースXのファルコン9ロケットによって打ち上げられる予定だ。宇宙に向けて搭載されるのは、スペースフライトの顧客である異なる35の組織が用意した品々だ。
なお、今回の打ち上げは、別の点でも歴史的偉業を成し遂げることになる。12月2日に飛び立つ再利用可能なファルコン9ロケットは、すでに2度使用されており、今回の離着陸が成功すればスペースXにとって初の3度目の再利用達成となるのだ。
重要なマイルストーンとなる打ち上げは、すでに2度延期されていた。1度目の延期は、11月の離陸前の再点検実施のため、2度目の延期は11月最終週に発生していた高高度における強風が原因だ。
今回のような合「相乗り」ミッションのおかげで、宇宙飛行のコストが下がり、宇宙がより身近なものとなっている。小型の人工衛星は、より大規模な計画や観測機器などとあわせて打ち上げられるのが普通だが、今回の打ち上げで運ばれるのは小型の人工衛星のみ。費用が割り勘できるようになり、より多くの組織が人工衛星を宇宙に送り込めるようになったため、小規模プロジェクトが大規模プロジェクトを待つ必要がなくなるまでに需要が追いついている。
もちろん、誰もが軌道に何かを打ち上げられるということではない。打ち上げには依然として人工衛星のサイズと重量に応じた数十万から数百万ドルもの費用がかかる。しかし、合同打ち上げの結果、これまで宇宙に手が届かなかった美術館から故人まで、さまざまな組織や個人が宇宙 …
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