遺伝子編集技術「クリスパー(CRISPR)」の共同開発者の一人であるフェン・チャン教授は、CRISPRを用いて遺伝子編集した赤ちゃんを誕生させることを全世界的に停止すべきだと呼びかけている。
マサチューセッツ州ケンブリッジにあるブロード研究所(マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の共同組織)のメンバーであるチャン教授の呼びかけは、中国の研究チームが、エイズウィルス(HIV)に抵抗力を持つように遺伝子を組み換えた双子の女の子を誕生させたと発表した翌日になされた。
「CRISPR技術の現状を考えると、遺伝子編集したヒト胚細胞を子宮に着床させるのは当分の間停止した方がよいでしょう」と、チャン教授は述べる。チャン教授教授の見解は、中国で広く影響力を持つことになりそうだ。
中国の実験では研究チームは、ヒト胚細胞を編集してCCR5と呼ばれる遺伝子を取り除いた。それによって子どもたちがHIVに抵抗力を持つようになるという。しかし、研究は秘密裏に実施され、医療専門家は安全性や必要性を疑問視している。
実験の危険性の方が利益にまさっており、中国のプロジェクトが密かに実施されたことを「深く憂慮しています」とチャン教授は述べた。
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