チャリーン。ライアン・デタートの招待制モバイルアプリ「インフルエンシャル」が選ばれしユーザーの注意を引き寄せるために鳴らす音がする。バッグやポケットにスマホを入れていても、ケロッグやコロナ等の企業ブランドは、ユーザーが広告をソーシャルメディアに投稿する見返りに報酬を支払ってくれる。ユーザーがタップして証人すれば、インフルエンシャルはユーザーの銀行口座に報酬を送金する。
その一方で、インフルエンシャルは投稿1件につき500〜数万ドルの請求書を広告主の企業に送る。
フォロワーに広告を掲載したユーザーに報酬を支払う手法を「インフルエンサー・マーケティング」という。キム・カーダシアン(米国版梅宮アンナ)やサッカー選手のクリスチアーノ・ロナウドなど、スターによる有償メッセージの発信が爆発的に広まったおかげで、インフルエンサー・マーケティングは大きなビジネスになりつつある。ブランドからのニーズが高まるにつれ、インフルエンシャルなどの企業は、ネット上のブランドの代弁者が収入を得られるように広告ターゲットテクノロジーを拡張し、一般人を相手にするようになった。
デタートはソーシャルネットワーク等から得たデータを分析することで、カーダシアンの投稿を誰が1000番目に「いいね」したかだけでなく、どの広告メッセージが読まれやすく、「いいね」されやすく、シェアされたりリツイートされやすいかも特定できる。「当社は、セレブに協力してもらうことはほぼありません。セレブのフォロワーは発言内容を細かくチェックしているので、セレブはブランドのエンゲージメントにまず貢献しないからです」とデタートはいう。
インフルエンシャルの役割は、家族やフィットネス情報を投稿するビデオブロガーであるスタイリストのカーリー・スタイルズや、YouTubeで140万人のフォロワーがいても、ウィキペディアには記載されていない18歳の歌手マディー・ジェーンのような人々を巻き込むことだ。
イギリスのリアリティ音楽オーディション番組『X Factor』出身のバンドEmblem3に所属するミュージシャン、ウェズリー・ストロンバーグによれば、インフルエンシャルのシステムは、ストロンバーグの趣味であるサーフィンやファンの興味に適したブランド広告を探してくれるという。ストロンバーグは、インフルエンシャルの分析ツールにより、自分自身の投稿とブランドの投稿に、フォロワーからどんな反響があるかを見ている。通常は広告収入付きのメッセージと自身のオリジナル投稿には同じような …