KADOKAWA Technology Review
×
サウジ記者殺害後にネット検閲が急増、広がる「監視」の動き
AP Photo | Hasan Jamali
ニュース 無料会員限定
Online censorship in Saudi Arabia soared after Jamal Khashoggi’s murder

サウジ記者殺害後にネット検閲が急増、広がる「監視」の動き

専制体制下の国々におけるネット検閲を監視するミシガン大学の新プロジェクトが、ジャーナリスト殺害事件後にサウジアラビアでのネット検閲の増加を確認した。プロジェクトは自動化されたツールを使い、170カ国の検閲状況の監視を続けている。 by Martin Giles2019.01.21

ワシントン・ポスト紙にも寄稿していたジャーナリスト、ジャマル・カショギがトルコ・イスタンブールのサウジアラビア領事館敷地内で殺害された事件。その2週間後、サウジアラビアで検閲されるWebサイトの数が2倍に増加したことが、2018年8月にミシガン大学で始まったプロジェクト「センサード・プラネット(Censored Planet)」によって明らかになった。検閲が強化された事実は何ら意外ではない一方、この結果は検閲に対する監視プロジェクトがいかに巧みに抑圧を嗅ぎつけられるようになったかを示している。

ミシガン大学でセンサード・プラネットを指揮する ロヤ・エンサフィ博士によると、2018年10月16日に実施した自動スキャンで検閲行為の急増が明らかになったという。スキャンが実施されたのはサウジアラビアとトルコの当局が領事館内を合同捜査した翌日で、カショギはこの2週間前、婚姻許可書を取得するために領事館を訪れていた。

エンサフィ博士のチームは、週2回のスキャンを170カ国以上で実施している。10月16日のスキャンでは、フォックス・ニュース、ロサンゼルス・タイムズ紙、カナダ放送協会(カナダの公共放送)などの海外ニュース・サービスが突如としてブロックされていたことが判明したという。その後、一部のサイトに対しての干渉は軽減されたものの、ロサンゼルス・タイムズ紙のWebサイトやサウジアラビアの英語日刊紙のサイト「アラブニュース・ドット・コム(a …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Why handing over total control to AI agents would be a huge mistake 「AIがやりました」 便利すぎるエージェント丸投げが危うい理由
  2. An ancient man’s remains were hacked apart and kept in a garage 切り刻まれた古代人、破壊的発掘から保存重視へと変わる考古学
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る