ハッカーが米国の投票制度の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用する可能性は、11月の大統領選挙に関する有権者の選挙制度への信頼を損ないかねない。開票結果が接戦の場合は特にそうだ。ただし、米国が自国の選挙制度の安全性をどう確保するかの議論を深める点で、こうした懸念にはよい面もある。
民主党全国委員会に対するハッキング攻撃について、ホワイトハウスは公式にロシアを非難している。また、20州以上でオンライン有権者登録データベースに対してハッカーによる攻撃があったとの報告もあり、米国の敵がアメリカの政治制度をサイバー攻撃しようとしているのは明らかだ。
攻撃を受けて、米国国土安全保障省(DHS)は、州や地方の選挙管理委員会にサイバーセキュリティに関する問題に対して支援するようになった。下院は国の選挙制度上の技術的脆弱性を査定し、その状況を把握するための手法を探るために公聴会を何度も開催している。さらにMIT Technology Reviewを含む数え切れないほどの報道により、インターネットに接続された有権者情報登録データベース や不在者投票制度などの脆弱性、さらに紙で再集計できない電子投票機 …