グーグル関連企業 ジカウイルス撲滅に蚊を量産
グーグルは、ジカウイルスの拡散防止のため、どのように蚊を育てているのか。 by Antonio Regalado2016.10.07
グーグルの親会社アルファベット(カリフォルニア州マウンテンビュー)の敷地で、昆虫学者はバイオセーフティ実験室の鉄の扉の向こうで蚊を飼育している。扉の向こうでアルファベットは、昆虫の自律飼育場の構築を目指している。
この突拍子もないプロジェクトに取り組んでいるアルファベットの医療系子会社ベリリは、数百万から数十億匹の不妊化した蚊を外の世界に放ち、米国の都市にまで拡がっているデング熱やジカ熱ウイルスと戦う手段にしようとしている。
アルファベット(以前のグーグル、評価額はアップルに次いで世界第2位)の計画は経営陣が承認しており、飼育用の新しい器具や、蚊を監視する地理空間ソフトウェアが用意されており、計画中の予備試験では市街地でトラックから蚊を放出する。
解決が難しい公衆衛生の大問題にシリコンバレーはカネの匂いを嗅ぎつけている。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは9月、100年以内に「あらゆる病気」を根絶するため30億ドルを寄付すると発表した。ベリリが蚊で踏み込んだのは、マイクロソフト共同創業者の大富豪ビル・ゲイツが縄張りにした領域だ。ゲイツの財団は「デング熱撲滅プログラム」に4000万ドルを費やし、ブラジルのリオデジャネイロとコロンビアのメデジンでの大規模な蚊の駆除計画を準備中だ。
ベリリのプロジェクトはまだ初期段階だが、発案者のライナス・アプソン副社長は以前グーグルの上級エンジニアとして、ブラウザー市場を制したChromeブラウザーを指揮していた。蚊はどの動物よりも多くの人命を奪っている状況に対してアプソン副社長は「問題はグーグルが解決のため何ができるかです」という。
ジカ熱とデング熱を媒介するネッタイシマカは、都会に生息する蚊で、ラテンアメリカにまん延し、北に向かって進んでいる。今年になって、ジカ熱をネッタイシマカが媒介しているがマイアミで確認され、米国で初の国内感染例になった。
ベリリがプロジェクトを公表するのは、蚊の屋外試験を望んでいる以上、計画はいずれ公表するか …
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