疑惑の血液検査企業セラノスが血液検査の研究所を閉鎖し340人の従業員を解雇すると発表した。
利害関係者への公開書簡で、セラノスは「自社の強みを評価し、弱みに(略)対処していた」とエリザベス・ホルムズCEOは説明した。弱みとは、今まさに閉鎖する臨床研究施設とウェルネス・センターのことだ。
元々ホルムズCEOに十分な選択肢があったわけではない。今夏、米国規制当局はホルムズCEOが自社の臨床研究施設を運営することを禁じた。この決定で、セラノスのテクノロジーは役に立たないと指摘したウォール・ストリート・ジャーナル紙の調査で脚光を浴びたセラノスに大きな問題の連鎖が生じた。研究施設の閉鎖は、企業を存続させるためにホルムズCEOが現実的に取り得る唯一の選択肢だった。
セラノスは一時期、90億ドルもの評価額がつけられたシリコンバレーの寵児だった。その主張が実を結んだかといえば、実を結んだとはいえるだろう。セラノスは、自社の「エジソン」テクノロジーにより、少し指先を刺すだけで採取できる量の血液で、多くの血液検査ができると主張していた。
しかしこうした主張に説得力はなかった。標準的な血液検査と検査結果が乖離すると証明されてしまい、研究所は血液を室温で保管してすらいないなど、ずさんな事業運営も調査で明らかになった。
セラノスはいわゆるMiniLab(血液のさまざまな検査ができる小型でインターネット接続が可能なカプセル型デバイス)に力を入れている、とホルムズCEOはいう。「当社の最終目標は、がん科、小児科、集中治療室等、特に弱者の患者のために、小規模な標本試験する小型・自動化されたカプセル型ラボを商業化することです」とホルムズCEOは述べている。デバイスは以前の「エジソン」と類似する手法が使われるとみられるが、重大なことに、デバイスがあれば自社のラボを運営する必要はなかったという、いわくつきのテクノロジーだ。
MiniLabが成功しても、セラノスの戦いは終わらない。今の段階ではセラノスの評判はボロボロであり、フォーブスによるとセラノスの価値はゼロだ。
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