好きで税金を払う人はいない。だから、カナダのジャスティン・トルドー首相が化石燃料を燃焼し続けるなら、国全体で負担すると発表するのは勇敢だ。
政策が変更されれば、カナダの州と準州は、二酸化炭素排出に直接税をかけるか、あるいはキャップ・アンド・トレード制度を導入しなければならない。直接税は、1トン当たり10カナダドル(約7.60ドル)に設定され、2022年までに年間10カナダドルずつ値上げされ、最終的には最高1トン当たり50カナダドル(約38ドル)に達する。
カナダ議会下院での熱い演説で、トルドー首相はこう説明した。
「気候変動からは逃がれられません。それは現実であり至る所にあります。私たちは過去10年間の怠慢を取り消せません。私たちができることは、環境の健全性を保護し、またそれと共に、全てのカナダ人の健康を保護するために、今日そして毎日、現実的で実直な努力をすることです」
カナダは明らかに、再生可能エネルギーの採用を奨励することに向け、前向きに進み出した。これまでに提案された中で最も積極的な炭素税ではないにしても(政策として成立させることは極めて重要だ)、二酸化炭素排出を削減するカナダの役割に対する強いコミットメントを示すことになる。
この発表は、カナダが気候変動に関するパリ協定を批准すべきかどうか(今週中に批准されることが見込まれている)について月曜日に始まったカナダ政府内の話し合いの一部だった。
米国の次期大統領は、トルドー首相の例から多くを学べるだろう。ドナルド・トランプ候補は、気候変動は中国人が作り出し広めた概念(トランプ氏は先週の大統領候補討論会でツイートしたことを否定した事柄)だと考えているかもしれない一方で、ヒラリー・クリントン候補の環境計画は、 現在のところ実質的に大して効果はない。クリントン候補は間違いなく、化石燃料の使用削減を意図したいかなる種類の税金について言及することが、政治的自殺行為だと考えている。
クリントン候補は恐らく正しいだろう。しかし、米国政府が明確で大規模な政策変更をしないなら、今後数十年間は石炭、石油そして天然ガスを使い続けることになる。実際、エネルギー・エコノミストの研究では、米国政府が二酸化炭素排出に関する新しい税金を成立させないなら、化石燃料がなくなるまで私たちはそれを使い続けるだろう。
カナダはどうにかしようとしている。今度は米国がそうする必要がある。
(関連記事:AP, “Hillary Clinton’s Climate Plan Needs a Carbon Tax,” “The Paris Climate Accord Just Passed a Crucial Threshold,” “Will We Ever Stop Using Fossil Fuels?”)