ブロックチェーンの信奉者たちによる最も大仰な主張は、ブロックチェーンあるいはそれに類似した技術が新たな種類のインターネットの基盤になるというものだろう。その新たなインターネットの世界では、Webサイトへのアクセスのコントロール権が、アマゾンやグーグルといった一部の大企業に握られているのではなく、ユーザー間で分散されている。このような分散型(ブロックチェーンの用語で言えば「非中央集権型」)Webは、サービス不能攻撃(DoS)、検閲、さらには自然災害に対してもより強い復元力を持つとされている。この形態であれば、1点に問題が起こっただけでシステム全体が崩壊することはないからだ。
非中央集権型Webの構成要素はすでに登場しはじめているかもしれないが、それが黄金期を迎えるのはまだ先のことだ。インターネットのコンテンツを遠隔地のサーバーでホスティングし、アルゴリズムを用いてユーザーにできる限り高速で提供する事業を展開している企業、クラウドフレア(Cloudflare)はその変化を後押ししようと考えている。最初のステップはクラウドフレアが「ゲートウェイ」と呼ぶものだ。同社のゲートウェイを使うことで、「インタープラネタリー・ファイル・システム(InterPlanetary File System:IPFS)」と呼ばれるピア・ツー・ピア(P2)のファイル共有ネットワーク・プロトコルに基づいて、誰でもWebサイトに接続して、保存されたデータの提供を始められるという。
クラウドフレアはIPFSを、現在のほぼすべてのWebアドレスの最初の4文字となっているHTTP(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)の正当な後釜にすることを目標としている。HTTP …