自動運転自動車は障害物を発見するセンサーと、道路や標識、インフラに関する詳細な3Dマップを使って走行する。だがその地図を作成し、常に最新の状態に保つには、莫大な労力が必要だ。サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業マッパー・ドットAI(Mapper.ai)は、オンデマンドで継続的に更新される地図サービスを提供することで、このプロセスを簡素化したいと考えている。
10月4日に一般公開された企業向けの新サービスでは、公道であれば世界中どこでも、地図化したい任意の場所を選択できる。マッパーは現地のドライバーを雇って地理データを収集し、3Dマップに変換して販売する。地図は購入後も定期的に更新され、一連のサービスはサブスクリプションで提供される。
マッパーはこれまで、小規模なグループの顧客を相手に、自律または半自律運転用の地図を作成してきた。現在、アジア、ヨーロッパ、北米の地図を保有している。将来的には、常に更新される、市街地と高速道路の機械向け地図の世界最大のリポジトリの構築を目指している。自律型移動手段はいまのところ、いくつかの企業が限られた数都市でのみ試験している状況だが、マッパーの共同創業者であるニヒル・ナイカル最高経営責任者(CEO)は、今後1、2年で試験が数十の都市に拡大し、総距離は数千キロに拡がると考えている。「自律型移動手段向けの地図としては、まだ大規模なものは開発されていません」とセンサーと地図作成の業務に10年以上にわたって携わってきたナイカルCEOは話す。「我々はどこよりも早く、世界中を網羅した機械用の地図作成をミッションに掲げています。そうすれば、世界中の人に販売できます」。
マッパーの特徴は、フリーランスの運転手のネットワークを使うことで、広い範囲をカバーし、地図の更新速度を確保していることだ。フリーのドライバーの多くがウーバー(Uber)やリフト(Lyft)といった相乗りサービスにも登録しており、客の少ない日中に地図データを収集しているのだ(ウーバーのドライバ …