先週、ニューヨークで開かれた国連総会の会議では、核兵器抑止に関する議論が数多くなされた。 一方で、もう一つの厄介な脅威、すなわち、サイバー兵器に関する十分な議論はなかった。
2013年、国連の統治機関の専門家グループが、国際法がサイバー空間にも適用されると判断。2015年には、平時における国家のオンラインでの行動を管理するいくつかの自主基準に合意している。これらの自主基準には、各国が互いの最重要社会インフラを標的にすべきではないとする条項や、各国が自国の領土から発生するすべてのサイバー攻撃に対して責任を負うべきだとする条項が含まれている。
しかし、こうした国連のイニシアティブは、まだあまり大きな影響力は持っていない。ロシアによる米国の電力会社や米国の選挙システムへのハッキング、中国による知的財産窃盗を目的とした活動が新たに露呈しており、国連の活動がまだ望ましい結果を得られていない様子がうかがえる。
対応策の協定
現在、米国や英国をはじめとする国々では、サイバー空間内での挑発行為に対するより積極的な対応策を準備中だ。
米国は最近、新たな国家サイバー戦略を明らかにした。新戦略では、軍部は長々しい承認プロセスを経ることなく容易に攻撃作戦を指揮できる。一方、英国は、サイバー攻撃発動能力を高めようと、2000人規模の技術専門家チームを設置する計画だ。
米国の新戦略はまた、国際的な「サイバー戦争抑止イニシアティブ」も想定している。特に悪質なサイバー攻撃に対し、米 …