KADOKAWA Technology Review
×
MITTRが選ぶ35歳未満のイノベーター「IU35 2024 Japan」発表!
11/20授賞式開催決定
高まるリスク、国家レベルのサイバー攻撃から守るのは誰か?
Nicholas Little
ニュース 無料会員限定
We need a cyber arms control treaty to keep hospitals and power grids safe from hackers

高まるリスク、国家レベルのサイバー攻撃から守るのは誰か?

国家レベルでのサイバー攻撃を抑制すべく、国際的な取り組みが進みつつある。米国や英国政府がサイバー攻撃に対するより積極的な対応策を準備する一方で、マイクロソフトなどテック企業はサイバー攻撃から顧客を守るための企業連合を立ち上げた。 by Martin Giles2018.10.04

先週、ニューヨークで開かれた国連総会の会議では、核兵器抑止に関する議論が数多くなされた。 一方で、もう一つの厄介な脅威、すなわち、サイバー兵器に関する十分な議論はなかった。

2013年、国連の統治機関の専門家グループが、国際法がサイバー空間にも適用されると判断。2015年には、平時における国家のオンラインでの行動を管理するいくつかの自主基準に合意している。これらの自主基準には、各国が互いの最重要社会インフラを標的にすべきではないとする条項や、各国が自国の領土から発生するすべてのサイバー攻撃に対して責任を負うべきだとする条項が含まれている。

しかし、こうした国連のイニシアティブは、まだあまり大きな影響力は持っていない。ロシアによる米国の電力会社や米国の選挙システムへのハッキング、中国による知的財産窃盗を目的とした活動が新たに露呈しており、国連の活動がまだ望ましい結果を得られていない様子がうかがえる。

対応策の協定

現在、米国や英国をはじめとする国々では、サイバー空間内での挑発行為に対するより積極的な対応策を準備中だ。

米国は最近、新たな国家サイバー戦略を明らかにした。新戦略では、軍部は長々しい承認プロセスを経ることなく容易に攻撃作戦を指揮できる。一方、英国は、サイバー攻撃発動能力を高めようと、2000人規模の技術専門家チームを設置する計画だ。

米国の新戦略はまた、国際的な「サイバー戦争抑止イニシアティブ」も想定している。特に悪質なサイバー攻撃に対し、米 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  3. AI will add to the e-waste problem. Here’s what we can do about it. 30年までに最大500万トン、生成AIブームで大量の電子廃棄物
  4. This AI system makes human tutors better at teaching children math 生成AIで個別指導の質向上、教育格差に挑むスタンフォード新ツール
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る