はたして暗号通貨は今後、不確かな資産という存在以上のものになり得るのだろうか?それには、 安定価格を維持するように設計された新種のデジタル通貨が鍵となりそうだ。少なくとも、ますます増えている暗号通貨開発者はそのように考え始めている。
新種のデジタル通貨プロジェクトにおける「カンブリア爆発」の真っただ中にいると語るのは、暗号通貨企業「ブロックチェーン(Blockchain)」の研究責任者であるギャリック・ハイルマン博士だ。ハイルマン博士が9月末に発表した調査によると、ステーブルコイン(安定通貨)と称される通貨の数は過去18カ月間において、片手で数えられるほどの数から60近くにまで増えており、さらに近い将来、12以上の通貨が発行される見通しだという。ステーブルコインの急増は、ビットコインやイーサリアム(Ethereum)といった暗号通貨のボラティリティ(乱高下)が、ブロックチェーンの応用分野としてもっとも需要が望まれる決済、貸付、保険などにおいて「問題を引き起こす」と考える人が多くなりつつあることを証明しているとハイルマン博士は話す。また、価格変動の小さなデジタル通貨が「インフラストラクチャ層」を形成し、暗号通貨の世界中の利用者の母体を大幅に増やせるという仮説を反映しているとも語る。
暗号通貨はしばしば、銀行口座を持てない、あるいは安定した自国通貨に恵まれない人 …