9月下旬に開催された「アリババ・コンピューティング・カンファレンス2018 」。オープニングセレモニーに登壇したアリババ・クラウド(Alibaba Cloud)のサイモン・フー社長は、司会者をステージに呼び、お茶の味見をさせた。
司会者が困った様子で、ほとんど同じにしか見えない茶葉の入った2枚のお皿を見つめていると、フー社長は自分のスマホを取り出した。それぞれのお皿を撮影し、アリババの電子商取引プラットホームであるTモール(Tmall)が開発したアプリに画像を送信した。すると、さまざまな種類の茶葉の違いを認識するように特別に訓練されたアルゴリズムが、2種類の茶葉の識別した。手で焙煎した茶葉と機械によって焙煎した茶葉とを識別して見せたのだ。
アリババの基礎技術研究とビジネスの要求が互いに関係していることを示す、ほんの一例である。アリババは、その後の4日間のカンファレンスで、毎日の生活を便利にするさまざまなテクノロジーを開発するための、さらなる計画を発表した。AIチップ子会社のピントゥ・グー(Pingtou Ge)や量子プロセッサー開発チームの設立などである。
それらすべての研究を率いるのは、アリババ最高技術責任者(CTO)でDAMOアカデミー(DAMO Academy)研究所の所長でもあるジェフ・チャンだ。チャンCTOはカンファレンス会場でMITテクノロジーレビューの取材に応じ、アリババの今後の計画について話してくれた。
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——AIチップ子会社を作ったのはなぜですか?
AIチップは私たちに強みをもたらすからです。チップは、ますます特殊用途性を強めています。多くの企業がAIチップを開発していますが、各企業によっ …